セラバンドを用意したものの、
「何からやればいい?」
「どんな運動に使えばいいの?」
と迷う人も多いのではないでしょうか。
セラバンドは、引く方向や体勢を変えることで、背中・胸・肩・お尻・脚まで幅広くトレーニングできる便利な道具です。
その一方で、できる運動が多いからこそ、最初はどんなメニューをやればいいのか迷ってしまう、といった声も耳にします。
そこでこの記事では、40代・50代でこれから運動を始める人に向けて、セラバンド1本でできる基本トレーニングを5種目紹介します。
今回選んだのは、特別な器具を使わず、自宅で取り組みやすい運動です。
大切なのは、強く引くことや回数を増やすことではありません。
正しいフォームで動き、狙った場所を使えているか。
まずはそこを意識しながら、一つずつ始めてみましょう。

セラバンドは、強く引くことよりも丁寧に動くことが大切です。まずは今回紹介する5種目から始めてみましょう。
まずはこの5種目から
今回紹介するのは、次の5種目です。
| 種目 | 主に使う場所 |
|---|---|
| ① クラムシェル | お尻の横 |
| ② ローイング | 背中・肩甲骨まわり |
| ③ チェストプレス | 胸・腕・肩甲骨まわり |
| ④ 肩の外旋 | 肩・肩甲骨・胸椎 |
| ⑤ 椅子スクワット | お尻・太もも |
この5種目を組み合わせることで、上半身から下半身まで全身をバランスよく動かせます。
すべてを一度に行う必要はありません。
まずは気になる種目から試して、動きに慣れてきたら少しずつ組み合わせていくのがおすすめです。
セラバンドは、持つ位置や長さを変えることで負荷を調整できます。
強さを優先するのではなく、フォームを保ちながら狙った場所を使える強度に調整して行いましょう。
黄色のセラバンド1本で、背中・胸・肩・お尻・脚までトレーニングできる。
まずは「強さ」よりも「きれいに動けること」を大切にする。
セラバンドの強度選びに迷う方は、「セラバンドの色・強度の選び方|40代・50代初心者は何色から?」も参考にしてみてください。
① クラムシェル|お尻の横を鍛える
最初に紹介するのは、クラムシェルです。
横向きに寝た状態で膝を開く運動で、主にお尻の横にある中殿筋などを使います。
お尻の横の筋肉は、歩く・階段を上る・片脚で体を支えるといった動作にも関わるため、日常生活でも大切な筋肉です。
クラムシェルは寝た姿勢で行うため、体を安定させやすく、セラバンドを使ったトレーニングが初めての人にも取り入れやすい運動です。

やり方
- 横向きに寝て、両膝を軽く曲げます
- セラバンドを膝の少し上に巻きます
- かかとはつけたまま、上側の膝をゆっくり開きます
- お尻の横に力が入るのを感じたら、ゆっくり元の位置に戻します
まずは左右8〜12回ずつを目安に行ってみましょう。
勢いをつけず、開くときも戻すときもゆっくり動かすのがおすすめです。
うまく効かせるポイント
クラムシェルで大切なのは、膝を大きく開くことより、骨盤を安定させたまま動くことです。
膝を開くときに体ごと後ろへ倒れてしまうと、お尻の横ではなく、腰まわりや太ももの前に力が入りやすくなります。
「どこまで開けるか」ではなく、お尻の横に力が入っているかを確認しながら行いましょう。
腰や太ももの前ばかりが疲れるときは、膝を開く幅を少し小さくする。
お尻の横に力が入る範囲で行うのがおすすめ。
② ローイング|背中・肩甲骨まわりを鍛える
次は、ローイングです。
床に座り、足の裏にセラバンドをかけて、両肘を後ろへ引く運動です。
主に背中や肩甲骨まわりを使います。
デスクワークやスマホを見る時間が長いと、肩が前に入りやすく、背中まわりを使う機会が減りがちです。
ローイングは、背中を使う感覚をつかみやすく、姿勢を支える筋肉を動かしたい人にもおすすめです。

やり方
- 床に座り、両脚を前に伸ばします
- 膝は軽く曲げてもOKです
- セラバンドを両足の裏にかけ、左右の端を持ちます
- 背すじを軽く伸ばし、肩をすくめないようにします
- 両肘を後ろへ引き、ゆっくり元の位置に戻します
目安は、8〜12回です。
うまく効かせるポイント
ポイントは、腕の力だけで引くのではなく、背中から肘を後ろへ引くイメージで動くことです。
肩がすくんだり、体を後ろへ大きく倒して勢いを使ったりすると、背中にうまく負荷が入りにくくなります。
また、脚をまっすぐ伸ばすと背中が丸くなる人は、膝を軽く曲げて姿勢を保つ方がおすすめです。
肩や腕ばかりが疲れるときは、肩を下げて背すじを軽く伸ばし、肘を後ろへ引く意識で行う。
体を大きく反らせず、背中に力が入る位置を探す。
③ チェストプレス|胸・腕を鍛える
次は、チェストプレスです。
セラバンドを背中に回し、両手で前へ押し出す運動です。
主に胸の大胸筋や腕の後ろにある上腕三頭筋を使います。
ローイングが「引く」動きなのに対して、チェストプレスは「押す」動きです。
両方を取り入れることで、上半身をバランスよく鍛えやすくなります。

やり方
- セラバンドを背中に回します
- 両端を持ち、肘を曲げて胸の横あたりに構えます
- 背すじを軽く伸ばし、肩をすくめないようにします
- 両手をゆっくり前へ押し出します
- 肘を伸ばしたら、ゆっくり元の位置に戻します
目安は、8〜12回です。
立って行っても、椅子に座って行ってもOKです。
最初は、姿勢を安定させやすい方法を選ぶのがおすすめです。
うまく効かせるポイント
ポイントは、手だけを前に出すのではなく、胸から押し出すイメージで動くことです。
押すときに肩がすくんだり、腰を反ってしまったりすると、胸にうまく負荷が入りにくくなります。
また、戻すときにセラバンドの力に任せて一気に戻さず、ゆっくりコントロールすることも大切です。
肩の前ばかりが疲れるときは、肩をすくめず、肘を少し下げる。
胸に力が入る位置を探しながら、ゆっくり押すのがおすすめ。
④ 肩の外旋運動|肩甲骨まわりを動かして姿勢を整える
次は、肩の外旋運動です。
肘を脇につけたまま、セラバンドを左右に開いていく運動です。
デスクワークやスマホを見る時間が長いと、背中が丸まり、肩が前に入りやすくなります。
この運動では、背すじを軽く伸ばした姿勢を保ちながら腕を外へ開くことで、肩の後ろ側や肩甲骨まわりを動かします。
「肩の筋肉を鍛える」というよりも、丸まりやすい上半身を起こして、肩甲骨まわりを動かす運動として取り入れるのがおすすめです。

やり方
- 立つか椅子に座り、背すじを軽く伸ばします
- 両手でセラバンドを持ち、肘を90度ほど曲げます
- 肘を脇につけたまま、姿勢を整えます
- 脇を締めたまま両手をゆっくり左右へ開きます
- 肩の後ろから肩甲骨まわりに力が入ったら、ゆっくり戻します
目安は、8〜12回です。
うまく行うポイント
ポイントは、腕を大きく開くことより、背すじを伸ばした姿勢を保つことです。
強く引こうとすると、肩がすくんだり、肘が体から離れたりしやすくなります。
肘は脇の近くに置いたまま、肩をすくめずにゆっくり開きましょう。
また、腰を反って姿勢を作るのではなく、頭のてっぺんが上へ伸びるようなイメージを持つと行いやすくなります。
肩がすくんだり、腰を反らせたりしないように注意する。
背すじを軽く伸ばし、肩甲骨まわりが動く感覚を確認しながら行うのがおすすめ。
⑤ 椅子スクワット|お尻・太ももを鍛える
最後は、椅子スクワットです。
椅子に座る・立つ動きを使って、主にお尻や太ももを鍛えます。
立ち上がる、階段を上る、歩くといった日常動作にもつながるため、40代・50代でこれから運動を始める人には特におすすめしたい種目です。
セラバンドを足の裏で踏んで持つことで、立ち上がるときに抵抗が加わり、自重だけのスクワットよりも負荷を加えやすくなります。

やり方
- 椅子の前に立ち、セラバンドの中央を両足で踏みます
- バンドの両端を持ち、肩の横あたりで構えます
- お尻を後ろへ引きながら、ゆっくり椅子に座ります
- 足裏で床を押すようにして立ち上がります
- 膝とつま先の向きをそろえながら繰り返します
目安は、8〜12回です。
うまく行うポイント
ポイントは、膝だけを曲げるのではなく、お尻を後ろへ引くことです。
椅子に座るつもりで動くと、股関節を使いやすくなり、お尻や太ももに力が入りやすくなります。
また、立ち上がるときに膝が内側へ入らないように、膝とつま先を同じ方向に向けることも意識しましょう。
セラバンドを強く引っ張ることよりも、まずは立つ・座る動作を安定して繰り返せることを優先します。
膝に違和感があるときは、深く座りすぎず、椅子の高さを調整する。
お尻を後ろへ引き、足裏全体で床を押すように立ち上がるのがおすすめ。
回数・セット数・頻度はどれくらい?
5種目すべてを完璧にやろうとすると、最初から負担が大きくなってしまいます。
まずは、1種目8〜12回を1〜2セットを目安にしてみましょう。
大切なのは回数をこなすことではなく、最後までフォームを保ちながら動けることです。
「あと2〜3回ならできそう」と感じるくらいの強度で終えると、動きを崩しにくくなります。
頻度は週2〜3回がおすすめ
筋トレは、毎日同じ種目を続けるより、週2〜3回から始めるのがおすすめです。
たとえば、
- 月曜日:5種目
- 水曜日:休み
- 金曜日:5種目
のように、間に休みを入れながら続けてもOKです。
忙しい日は、5種目すべてではなく、2〜3種目だけ選ぶ方法でも構いません。
慣れてきたら少しずつ増やす
同じ回数でも余裕を感じるようになってきたら、
- 1セット → 2セットにする
- 動きをさらにゆっくりにする
- セラバンドを少し短く持つ
- 種目によってレッドを試す
など、少しずつ負荷を調整していきます。
いきなり強いセラバンドに変えるよりも、フォームを保ったまま負荷を上げられる方法を選ぶのがおすすめです。
目安は1種目8〜12回・1〜2セット、週2〜3回。
回数よりも、最後まできれいに動けることを優先。
自宅筋トレの基本メニューも確認したい方は、「40代・50代の筋トレは何から?家で始める初心者向け基本メニュー」も参考にしてみてください。
うまく効かないときのチェックポイント
セラバンドを使っていて、
「効いている場所がよく分からない」
「腕や腰ばかり疲れる」
と感じることもあります。
そんなときは、強度を上げる前にフォームやバンドの使い方を見直してみましょう。
① 動きを大きくしすぎていないか
大きく動かそうとすると、狙った筋肉以外の場所で補いやすくなります。
まずは、姿勢を崩さず動かせる範囲で行うのがおすすめです。
② セラバンドを強く張りすぎていないか
バンドを短く持つほど負荷は強くなります。
肩がすくむ、腰が反る、勢いを使うといった動きが出る場合は、少し長めに持って調整してみましょう。
③ 動くスピードが速くなっていないか
勢いを使うと、狙った場所に力が入りにくくなります。
動かすときも戻すときもゆっくり行うと、使っている筋肉を感じやすくなります。
④ 「どこを使う運動か」を意識できているか
今回の5種目は、それぞれ狙う場所が違います。
- クラムシェル → お尻の横
- ローイング → 背中・肩甲骨まわり
- チェストプレス → 胸・腕
- 肩の外旋運動 → 肩の後ろ・肩甲骨まわり
- 椅子スクワット → お尻・太もも
動きながら、狙った場所に力が入っているかを確認してみましょう。
「効かないから強くする」ではなく、まずは姿勢・動く範囲・スピードを確認。
狙った場所を使えている動きが、その人に合ったやり方。
まとめ|セラバンド1本で全身を動かそう
セラバンド1本でも、使い方を変えることで背中・胸・肩・お尻・脚まで全身をトレーニングできます。
今回紹介した5種目は、
- クラムシェル
- ローイング
- チェストプレス
- 肩の外旋運動
- 椅子スクワット
です。
まずは、1種目8〜12回・1〜2セット、週2〜3回を目安に始めてみましょう。
大切なのは、強く引くことや回数を増やすことではなく、フォームを保ちながら狙った場所を使えているかです。
忙しい日は5種目すべてをやらなくても大丈夫です。
気になる種目を2〜3つ選んで続ける方法もおすすめです。
セラバンドに慣れてきたら、持つ長さを変えたり、セット数を増やしたり、種目によってレッドを試したりしながら少しずつ負荷を調整していきましょう。
セラバンドは、これから運動を始める人におすすめ。
まずは今回の5種目から、自分のペースで続けてみましょう。

